一般的に「避妊薬」という印象があるようですが、実際に避妊目的を第一に使用されている方はごくわずか。ほとんどの方は生理痛の改善や生理周期の改善、アダルトニキビの治療が目的です。
その他にも、ピルには様々な効果があります。
- 生理周期を安定させ、決まった日に月経を起こす事が可能となり、仕事や旅行の調整も簡単です。
- 月経量が約1/3程度に減る(ナプキンで約10枚分の減量)ため、月経痛のコントロールに優れ、結果的に、子宮内膜症の進行抑制や貧血の改善にもつながります。
- 排卵抑制してホルモン変化をコントロールする為に、PMS(月経前症候群)の症状緩和につながります。
- ピルの黄体ホルモン作用で、抗アンドロゲン(男性ホルモン作用)を有するために月経前にきび(アダルトにきび)のコントロールに優れます。
- 長期投与して結果、卵巣癌、子宮体部癌、直腸癌、リウマチ等の発症予防につながります。
これらのメリットは全て、EBM(エビデンス・ベースドオブ・メディスン)に基づいており、実証されたものです。

一番多い心配は薬による副作用だと思いますが、飲み続けることによる身体的影響(妊娠できなくなる、太る等)はほとんどありません。
むしろ毎日の生活を安定させるためには、ピルを服用するメリットの方がはるかに大きいと考えます。
【一般的な副作用】
- 吐き気、頭痛、むくみ等のマイナートラブル。
これらは内服開始後1ヶ月以内に消失する事がほとんどです。
- 血栓症(血液の固まりが血管を詰めてしまう病気)
これは確かに海外の文献でも発症するリスクが高くなると言われていますが、実際はピル内服者より、妊婦さんの方が数倍発症率が高くなります。
妊娠した方で自分が血栓症になったらどうしようと心配されている方を見た事がありますか?
それより低い確率の副作用を皆さんは非常に敏感に心配されます。
また、血栓症は大抵、喫煙歴のある方に見られるものですので、35歳以上で1日15本以上喫煙する方にはピルをお勧めしません。
- 乳癌発症率
これに関しては最新のガイドラインでは乳癌発症の危険率が上がるという相関性はないとされています。ただ、乳癌を発症した方がピルを内服する事は避けなければなりません。
(このため定期的な乳癌検診が必要不可欠となります)
確かに人工薬剤であるので、副作用のリスクは100%無い訳ではありません。ただ、間違いなくピルの恩恵を受ける方が圧倒的多数である事は明白な事実です。
日本の女性はあまりにも間違った情報に左右され過ぎています。例えばフランスでは20〜24才ので80%以上、25〜29才で70%、30〜34才で60%の女性がピルを使用しています。 年代に応じ、使用する避妊方法が異なり、ピルは特に若い年齢層に選択されていることが分かります。単なるイメージや間違った情報をうのみにして、ピルの有効性を試さないのはもったいないのではないでしょうか? |