膣内にはもともとわずかな雑菌がいることが多いのですが、膣には膣内を正常に保つ自浄作用があるため、通常であればそれらの雑菌が繁殖することはありません。しかし何らかの原因でその作用が弱まると、雑菌が増殖し、病的なおりもの(おりものが臭う、色が黄色っぽい、おりものに血が混ざる、量が多くなる)が出たり、下腹部に不快感が出たりすることがあります。
これが細菌性膣炎です。
症状が他の感染症等と似ているため、勘違いされて来院される方も多いのが特徴です。

また細菌性膣炎が早産・流産・低体重児の誕生、分娩後の感染症の原因になることが最近になって明らかになってきました。特に妊娠16週以内に細菌性膣炎がある場合、早産の可能性が5.5倍に増加すると言われています。
妊娠するとカンジダ症になりやすいといわれていますが、細菌性膣炎の方が発生頻度が高く、注意が必要です。



腟洗浄を行い、抗生物質の腟錠を挿入する治療を7〜10日間ほど行います。腟錠が効果的でない場合は、抗生物質の内服を併用することもあります。
膣の洗浄にビデを用いられる方がいらっしゃいますが、ビデでは十分な洗浄ができないため、医院での処置を強くお勧めします。
また、更年期の方で女性ホルモンの分泌が減ると、膣の粘膜が萎縮して薄くなり、自浄作用が低下するため、細菌性腟炎になることがしばしばあります。この場合には、エストロゲンの腟錠と抗生物質の腟錠を併用して治療することもあります。


膣内に雑菌が繁殖しないよう、ふだんから清潔にすることを心がけるのはもちろんのこと、腟や外陰部の粘膜が傷つかないよう過激な性行為を避ける、月経中にタンポンを使用する場合はこまめに交換する、など日常から注意をすることが大切です。
タンポンの抜き忘れやコンドームの破片が腟炎の原因となることもあります。しばらく経つと膣が強い悪臭を放つようになるので、その場合には放置せず、必ず婦人科を受診してください。